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心臓血管外科

総肺静脈還流異常症 Total anomalous pulmonary venous connection (TAPVC)

心臓に異常がないお子さんでは、肺で酸素をもらった血液は肺静脈から左心房へ戻り、その後左心室から全身へ送られますが、総肺静脈還流異常症では肺静脈から左心房へは直接戻らず、他の静脈や右心房へ戻ってしまいます。その結果、右心房→右心室→肺動脈の血流が増え、肺うっ血を起こします。肺静脈が他の静脈に戻る途中の経路で狭くなってくることが多く、その場合は更に肺うっ血が高度となり、危険な状態となるため、早急な手術が必要となります。
手術の方法としては、心臓外の静脈に戻るタイプの場合は、人工心肺装置の補助下に心臓を止め、肺静脈を直接(左)心房につなぐ手術(図)を行います。
右房に戻るタイプの場合は、同様な補助下に、肺静脈からの血流を左心房へ流れるように血流転換を行います。
高度な肺うっ血を来していた場合は、手術後にも肺の血管の抵抗が下がらずに肺の血流が滞り、低血圧・低酸素血症の危険な状態(肺高血圧緊急症)を起こしやすくなるので、深い鎮静状態とし一酸化窒素の吸入が必要となることがあります。
多くの場合はその後再手術が必要なことはありませんが、10-20%で肺静脈が狭くなってきて再手術(肺静脈狭窄解除術)が必要となったり、さらに肺の中の静脈まで狭くなってくることがあり注意が必要です。

TAPVC

TAPVC

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