患者・家族と地域社会に必要とされ、継続できるこども病院を目指して

宮城県立こども病院は2003年11月に、東北唯一の小児周産期・高度専門医療施設として開院し、2016年3月に宮城県立拓桃園と統合しました。これにより、小児・周産期の急性期から慢性期、リハビリテーション、在宅医療までを一貫して担う小児医療・福祉施設になりました。東北の医療施設から多くの患者さんをご紹介いただきましたことに感謝申し上げます。

最近の社会状況と医療環境は凄まじい勢いで変化しています。感染症が減少し、発達障害が増加するなど小児の疾病構造の変化が顕著です。また、ゲノム医療や新規治療の開発で多くの難病のこども達が成人年齢を迎えられる様になり、日常的な医療ケアや在宅医療、さらに成人移行支援の必要度が増しています。

2020年(令和2年)1月発生の新型コロナウイルス感染症パンデミックは社会に甚大な影響を与えていますが、医療・医学の目覚ましい対応力により収束の途上にあります。今後は、コロナ禍で加速した社会的変化への対処が求められています。この社会変化に対応すべく、こども病院は令和4年度から新たな管理者人事体制となりました。

どの様な変化の中にあっても、東北のこども達が必要とする医療環境と医療者育成に継続して貢献することが求められています。患者家族と地域社会のために果たすべき役割を見極め、チームワークと柔軟な発想で継続することが大事です。どうぞ、宮城県立こども病院に対する皆様の温かいご支援とご理解を、心からお願い申し上げます。

地方独立行政法人宮城県立こども病院
理事長 今泉 益栄

宮城県立こども病院は、東北で唯一のこども病院として誕生し、来年で開院20年を迎え、東北地方の小児医療の向上に大きな役割を果たしてきました。私はこれまで、東北大学病院小児科教室の運営を担当してきました。宮城県立こども病院と東北大学病院は連携して、小児医療の向上のみならず、優れた小児医療人の育成に大きな貢献をしています。

当院の特徴の一つは、重い障害のあるお子さんに対し、医療・保育・生活指導・学校教育などを総合的に支援する「拓桃園」を併設していることです。神経科、整形外科、外科、歯科などが協調し、患児の症状に応じた医療支援・生活支援を提供しています。もう一つの特徴は、先天性心疾患をもつお子さんの診断、内科的治療、外科的治療、長期フォローの向上を目的とした循環器センターが設置されていることです。心臓血管外科、循環器科、集中治療科などの関係各科が連携することでセンター化し、東北地方の先天性心疾患の予後改善を目指しています。

小児医療は、少子高齢化という社会の大きな問題に直面し、宮城県立こども病院も変革が求められています。より広域の医療圏を診療対象とし、東北地方の多くの市中病院や小児医療クリニックと連携し、シームレスな小児医療の提供を実現していきます。また、宮城県立こども病院は、受診したお子さんに対する小児医療だけでなく、東北地方の全てのお子さんへ向けた健康管理に関する情報を発信することで小児保健分野の貢献をしたいと考えています。

小児医療に対するご理解と当院への変わらぬご支援を、心からお願い申し上げます。

宮城県立こども病院
院  長  呉 繁夫