看護部長あいさつ
このたび、2025年4月より宮城県立こども病院の看護部長を拝命いたしました横内由樹(よこうち ゆき)と申します。
これまで歩んできた看護および教育の道で培ってきた経験、そしてこどもたちやご家族に寄り添いたいという思いを胸に、職員のみなさまとともに、心を込めて日々の看護に努めてまいります。
今後、私が特に大切にしていきたいと考えているのは、次の三つの柱です。
1.将来を見据えた「こどもたちの心を育てる教育的支援」
ここでいう“教育”とは、単なる学習支援にとどまらず、病気と向き合う日々の中で、こどもたちの情緒や知性、思いやり、そして未来に向かう力を育むことも意味します。こどもたち一人ひとりの自分の存在が認められ、安心してのびのびと過ごせる場所があること。それは、小児専門病院に課せられた大切な使命だと感じています。
また、病気に打ち勝つ心や前向きに生きる力を育む「心のケア」も、看護の重要な役割のひとつです。こどもたちが自信をもって未来へ羽ばたけるよう、スタッフ一同力を合わせて支えてまいります。
さらに、通院が困難なご家庭への支援も欠かせません。地域には医療を必要としながらも、適切に医療を受けていないこどもたちが存在しています。そうしたご家庭に確かな支援が届くよう、地域や学校との連携を深め、訪問支援やオンラインでの教育支援の体制を充実させていく所存です。
こどもが自分のからだの状態、病気や治療について正しく理解でき、より健康な生活を送れるヘルスリテラシーの基盤をつくります。ヘルスリテラシーは健康情報を活用する能力のことで、健康や医療に関する情報を探したり、活用したりする能力のことです。さまざまな健康情報の中で正しい情報を見抜き、情報を使いこなす能力を高めることが健康を守るために重要です。
これからは病院という枠を越えた働きかけにより、地域全体でこどもたちの成長・発達・健康を支えていく取り組みを推進してまいります。
2.看護の質の向上とご家族への支援
こどもたちの看護には、確かな知識と技術に加え、深い愛情と洞察力が必要です。
そして何より、ご家族と心を通わせ、共に歩む姿勢が大切です。病気とともに歩むこどもたちを支えるご家族の気持ちに寄り添い、不安に耳を傾け、ともに同じ方向を向いて乗り越えていけるような関係づくりを大切にしたいと考えています。
ご家族が「この病院なら安心して任せられる」と感じていただけるような、信頼に満ちた病院づくりを目指してまいります。
3.看護スタッフの育成と働きやすい職場づくり
私は、宮城県立こども病院の理念に深く共感し、「この場所で、よりよい医療を提供したい」という思いをもってこの地に参りました。
しかし、どれほど素晴らしい理念があっても、それを支えるスタッフが心身ともに健やかで、安心して働ける環境がなければ実現することはできません。
看護部長として、スタッフ一人ひとりが誇りとやりがいをもって働ける職場環境の整備に力を注いでまいります。
ヘルシーワークプレイス(健康で安全な職場)の実現に向けた取り組みや、キャリア形成の支援を進めながら、互いに尊重し合い、支え合えるあたたかなチームづくりを目指していきます。
つねにアイデアを取り入れ、前に進んでいく組織でありたいと願っています。
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“すべてのこどもが未来へ羽ばたいていけるように”。
その翼を支え、そっと後押しすることが、私たち病院スタッフの使命であり、誇りです。
この責任を胸に、みなさまと力を合わせて、よりよい病院づくりに取り組んでまいります。
今後とも、変わらぬご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年4月
宮城県立こども病院
看護部長 横内 由樹