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看護部の教育

看護部では、平成23年度から、「宮城県立こども病院看護職員キャリア開発システム」に基づき、看護職員が自らキャリアアップしていくことを支援してきました。このシステムは、病院理念から期待される看護職員像を明確化し、専門職業人としての知識・技術・コミュニケーション能力を向上させ、より良い看護ケアを提供すること、さらに生きいきとした職場風土を醸成していくことを目的としています。
看護職員の実践能力は、「看護実践能力」「組織的役割遂行能力」「教育研究能力」の3つの柱で支えられており、いかなる対象に対しても経験と継続教育によって修得した実践能力を発揮できるジェネラリストにすべての看護職が成長できるよう育成しています。さらに自己の将来のビジョンを描き自己研鑽し、躍動的に行動する看護職員の育成を目指しています。

看護部教育目的

宮城県立こども病院看護部の理念に基づき、安全で質の高いあたたかな看護を自ら積極的に学び、考え、行動できる自律した看護職員を育成する。

看護部教育目標

  1. 小児看護、母性看護の専門知識と技術を深め、キャリア開発システムを基盤としてキャリアアップができる。
  2. 小児専門病院の看護職員として、役割と責任を自覚して行動できる。
  3. 社会・組織・個人の多様化に応じたチーム医療の中で、主体的に思考・判断し、行動できる。
  4. 組織の目標に沿って自己実現を果たし、看護専門職としてキャリアの発展を図る。

看護部職員教育体系全体図

看護部職員教育体系

育成したい看護師像

  1. 確かな知識・技術・判断に基づいた、質の高い看護が提供できる。
  2. 組織の一員としての自覚をもち、医療チームにおいて互いの人格を尊重し、良好な関係を築き、主体的に責任を持って自らの役割を果たすことができる。
  3. 仕事に対する誇りをもち、医療の進歩に対応できる高度な専門的能力を身に付けるため自己研鑚に努めることができる。

看護部(図5)看護職員のキャリア開発システムレベル取得状況

新人教育体制

看護部では新人教育において、PNSの補完の4重構造を活用し、新人教育・支援についても補完される体制をとっています。新人教育・支援は、スタッフ誰もが新人教育・支援を行う役割をもち指導しています。
PNS補完の4重構造

新人教育の3つのサポート

新人教育には3つのサポートがあり、「フレッシュパートナー」「クリニカルコーチ」「日々の業務でペアとなる先輩看護師」がそれぞれの役割を果たし、重要な部分は互いに重複し連携を強化させた指導・教育を進めていく体制を構築しています。
新人教育3つのサポート

3つのサポートそれぞれの役割は、以下の通りです。とくに重要な学習については、重複して指導するようにしています。

フレッシュパートナーの役割

新人と年間パートナーを組み、看護職として成長過程を踏めるよう継続的に支援していきます。

  1. 新人の環境適応への支援、精神面のフォロー
  2. 新人指導計画に沿った指導・調整
  3. 新人へ指導するスタッフとの連携
  4. 医療チームとして働く心構え
  5. 安全安楽なケア
  6. 社会人としてのルール(接遇)
  7. その他 仕事と生活の調整などさまざまなフォロー

クリニカルコーチの役割

小児専門病院であるため、厚労省「新人看護職員研修ガイドライン」に沿った新人看護技術習得率を向上させるためにクリニカルコーチを配置し、看護技術指導を工夫しています。院内の人材・場・教材を効果的に活用し、正確で安全な技術習得への支援を行う。看護技術チェックリストによる技術到達度の評価、技術研修企画・研修や実施指導などの役割を担っています。

  1. 新人の看護技術習得のための指導・支援
  2. 新人集合研修での指導
  3. 部署内の技術トレーニング
  4. 院内留学の計画・指導
  5. 看護技術チェックリストにおける傾向把握と達成のための取り組み

日々のペアとなる先輩看護師の役割

ペアとなる先輩看護師は日々の看護場面において、より実践的な看護展開の指導を担当します。新人と一緒に看護ケアを行いながら、自分の持つ知識技術を惜しみなく与え、新人が安全性の高い看護実践を身につけるよう教え導いていく役割を担っています。

  1. 新人の精神面のフォロー
  2. 新人・患児・家族との調整
  3. 新人指導計画に沿った指導・調整
  4. 看護記録の指導
  5. 医療チームとしての心構え
  6. 安全安楽なケア
  7. 社会人としてのルール(接遇)

新人看護職員の研修

新人看護職員入職時研修

新人看護職員入職時研修イメージ図

集合研修

配属部署の業務に入る前に、病院で実践されている看護についての理解、基本的な看護技術について演習を通して復習していきます。また、より実践的な学習になるよう患者に予定されている複数のケアを組み立て、一日の行動スケジュール、安全への配慮などについて、総合的に考え、行動につながるようグループワークを取り入れています。

部署別シャドーイング研修

部署での看護のイメージづくりと先輩看護師の看護実践における臨床判断を学ぶ「部署別シャドーイング研修」を企画しています。働くイメージづくりを行ってから部署での看護実践が始まります。

フォローアップ研修

部署配属後2週間程度で、看護実践の振り返りとリフレッシュを兼ねた「フォローアップ研修」を実施しています。看護基礎教育で学んだ基本的な知識や技術を部署での看護実践に結びつけることができるように、段階的に研修を組み立て、看護師としての最初の一歩を丁寧に支援してます。

新人看護師研修スケジュールと一年間の取り組み

新人集合研修

  1. 毎月第3木曜日14時00分から15時00分または15時30分
  2. その他 必要な研修を企画(院外研修含む)

看護実践強化研修

  1. 部署内で看護実践力を強化するための研修
    救急蘇生(応用編)、多重課題
  2. 部署を超えて看護技術の経験をフォローする研修
    交換留学、看護技術見学
  3. フィジカルアセスメントを強化する研修
    東北大学クリニカルスキルスラボ施設(院外)の教材を利用した学習

その他

  1. 目標管理や看護技術チェックリストへ取り組んでいきます。
  2. 学研ナーシングサポートが自由に視聴できる学習環境が整備されています。
  3. さまざまな病院の行事へ積極的に参加しています。

キャリア開発に沿った教育プログラム

看護研究

外部講師による看護研究指導を行っています。「看護研究の基礎」研修および看護研究個別指導を年2回企画しています。指導体制を強化するため院内の研究支援者を任命しています。きめ細やかな支援を受けながら、年間10から12題の看護研究がまとめられ、院内看護研究発表会で報告されています。
 

院外研修・学会への参加

小児・母性看護以外にも、さまざまな関連学会への参加、院外研修に積極的に参加しています。

経験者採用職員への支援

経験者の方が、早期に職場適応し、他施設で経験を活かして活躍できるように支援していきます。
「経験者のつどい」を開催し、慣れない職場環境での思いを語りあえる仲間づくりと今後のキャリアを描けるよう支援していきます。また、キャリア支援室の企画で年2回程度の面談を予定しています。

認定看護師取得および大学院等進学の支援

大学、大学院へ進学する場合の支援

勤務しながら進学する場合は、部署内でリーダーシップがとれるように成長(キャリア開発システムレベルⅢ取得以上)してから、師長の推薦をうけ、病院長の許可を得てから進学手続きを踏むことになります。また、勤務に支障がないことも条件となりますので、所属部署とよく相談し、理解を得ることが必要となります。

認定看護師教育課程取得のための支援

看護部では、看護の質向上を図るために、特定の看護分野における高度な専門知識と技術を習得し、熟練した看護を提供することができる認定看護師を毎年2名養成できるよう計画しています。進学希望の場合、部署内でリーダーシップがとれるように成長(キャリア開発システムレベルⅢ取得以上)してから、師長の推薦をうけ、病院長の許可を得てから進学手続きを踏むことになります。

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