- 当科について
- 主な治療内容
- FAQ
- 医師の紹介
当院は宮城県の周産期医療体制の中で3次施設の一つとして地域の中心的な役割を担っています。当院の特徴はこども病院ということもあり、胎児の疾患を中心に担当しております。加えて地域周産期センターとして切迫流早産、前期破水、妊娠高血圧症候群や双胎などのハイリスク妊娠の受け入れも行っています。また、地域のニーズに合わせて里帰り分娩を含めローリスクの分娩の受け入れも積極的に行っています。
ハイリスク、ローリスクを問わず365日24時間体制で診療をおこなっています。
おなかの赤ちゃんの疾患に対しては新生児科をはじめ循環器科(先天性心疾患、胎児不整脈など)、外科(先天性横隔膜ヘルニア、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、消化管閉鎖など)、泌尿器科(水腎症、多嚢胞性異形成腎など)、脳神経外科(脊髄髄膜瘤など)、形成外科(口唇口蓋裂など)など関係各科と緊密に連携をとりながら診療を行っています。赤ちゃんの心臓の病気についてはおなかの中にいるときから循環器科医による超音波診断を行い、生まれた後の治療についても説明を行っています。正確な診断を心がけ、必要に応じて胎児治療(おなかの中の赤ちゃんに対する治療)も行っています。
当院では双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術、無心体に対するラジオ波焼灼術、胎児胸水に対する胸腔-羊水腔シャント、胎児頻脈性不整脈に対する経母体薬物療法、胎児貧血に対する胎児輸血などを適応があれば行っております。状況によっては、関東など他県の施設へ紹介させていただくこともあります。
出生前診断も積極的に行っています。NT(Nuchal translucency:後頚部透亮像)肥厚、頚部リンパ管腫、胎児構造異常などで染色体疾患や遺伝子疾患を疑う場合は適切な遺伝カウンセリングを行い、必要に応じて染色体検査など遺伝学的検査を行っています。NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)の基幹施設として連携施設とともに検査を行っています。また、超音波診断にも力を入れており、妊娠初期(11~13週)、中期(18~20週頃)、後期(28~30週頃)スクリーニング(胎児ドック:胎児精密超音波検査)を行っています。他院で分娩予定の方の受診も可能です。
本邦にはまだ少ない認定遺伝カウンセラーも在籍しており一緒に診療にあたっています。詳細は下記リンク先を参照ください。
➡出生前検査
➡出生前検査表
➡胎児ドック:胎児精密超音波検査
切迫流早産に関してはなるべく長期入院を避けられるよう管理しています。適応があれば頸管縫縮術を積極的に行ったり、頸管ペッサリー(保険適応外)を使用したりして可能な限り外来管理を目指しています。
早産や後期流産(妊娠15~16週以降の流産)を経験した方は、次の妊娠でも流早産となるリスクがあります。妊娠前から原因を検討して妊娠中の管理などの対策を立てておくことにより流早産リスクを下げられる可能性があります。早産や後期流産の経験がある方には、妊娠前からの相談も行っております。
ローリスクの分娩も受け入れています。当院は赤ちゃんに疾患のある方を中心に診療を行っていますが、赤ちゃんに疾患のない方の妊婦健診や分娩も可能です。里帰り分娩も可能です。お母さん・赤ちゃんともに安心・安全な妊娠・分娩・産褥管理を目指しています。ただし重症な母体合併症のある方、前置胎盤などリスクの高い妊娠合併症のある方は他院へ紹介させていただく場合があります。
里帰り分娩を希望される方は、妊娠24週頃までに分娩予約のため一度受診していただき、妊娠34週以降は当院で健診をしていただいています。宮城県内の方はセミオープンシステムでの妊娠管理にも対応しています。
双胎、帝王切開の既往、子宮筋腫核出術など子宮切開の既往、骨盤位(逆子)などは帝王切開での分娩とさせていただいています。
産科医・新生児科医が24時間院内に待機しておりいつでも対応可能です。スタッフ一同、母児ともに安全に分娩や産後の生活ができるよう努めています。
夫(パートナー)の立ち合い分娩も可能です。入院中は2親等以内のご家族の面会はもとより、条件を満たせば赤ちゃんのきょうだいの面会も可能です。
問い合わせ:宮城県立こども病院 産科外来 tel:022-391-5111(代表)
施設認定
日本周産期・新生児医学会 周産期(母体・胎児)専門医暫定研修施設
(施設区分:基幹研修施設)
日本超音波医学会認定超音波専門医研修施設
胎児治療の適応疾患
双胎間輸血症候群
胎盤が一つの双子(1絨毛膜双胎)では、胎盤上で二人の赤ちゃんのへその緒の間をつないでいる血管(吻合血管)が必ず存在しています。二人の間の血流のバランスに偏りがあると血液がたくさん入ってくる児(受血児)と血液が出て行ってしまう児(供血児)ができます。受血児は羊水過多、心不全となり、供血児は羊水過少、循環不全となり状態が悪くなってしまいます。子宮の中にカメラを挿入して胎盤を観察し、レーザーで吻合血管の血流を遮断することで原因が取り除かれます。
無心体(Twin reversed arterial perfusion sequence:TRAP sequence)
胎盤が一つの双子(1絨毛膜双胎)にまれに起こる特殊な病態です。一方の赤ちゃんの心臓が働いていない状態(無心体)で、もう一方の赤ちゃん(ポンプ児)から血液を供給されている状態です。ポンプ児は自分だけでなく無心体にも血流を送るため心臓に負担がかかり心不全となる可能性があります。ラジオ波を用いて無心体の血流を遮断することにより負担をとることができます。
胎児胸水
赤ちゃんの胸腔内に大量の水がたまると心臓が圧迫されて心不全となり、腹水がたまったり全身がむくんできたりして状態が悪くなります。赤ちゃんの胸腔内と羊水腔にまたがるように細いチューブを入れることにより胸水が自然に流れ出ていくようにします。
胎児貧血
お母さんの血液中の抗体やウイルス感染などによって赤ちゃんが貧血になることがあります。貧血がひどくなると赤ちゃんの命にも影響が出ることがあるため、必要があればへその緒に針を刺して輸血を行います。
胎児不整脈
赤ちゃんの心拍数が非常に早くなったり、遅くなったりすると心臓の働きが悪くなってしまいます。お母さんに薬を飲んでもらったり注射や点滴をしたりして赤ちゃんの不整脈の治療をします。
先天性サイトメガロウイルス感染症
おなかの中でサイトメガロウイルスに感染すると赤ちゃんに様々な症状(難聴、発達障害、胸腹水、肝脾腫など)が出ることがあります。重症の場合はお母さんに高容量の抗ウイルス剤を飲んでもらうことにより治療を行います。現在はまだ保険診療にはなっておらず自費での治療となります。
出生前検査
当院では安心して妊娠生活を送っていただけるように、また生まれてくるまでに準備がしっかりとできるように、赤ちゃんの染色体の変化がないかどうかや赤ちゃんの発育や形態に問題がないかを調べる「出生前検査」を行っています。出生前検査にはさまざまな方法があり、それぞれに特徴や検査の時期、得られる情報が異なります。
当院では検査を受ける前に医師や認定遺伝カウンセラーが遺伝カウンセリングを行い、ご本人・パートナーの希望を尊重しながらサポートいたします。
当院では以下の検査を行っています。出生前検査の詳細は別ページ(下記リンク)を参照ください。
- NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)
- 羊水検査
- 妊娠初期・中期・後期超音波検査(胎児ドック:胎児精密超音波検査)
- コンバインド検査(NT測定+母体血清マーカー)
- 遺伝性疾患に関する遺伝子検査
詳細は下記リンク先を参照ください。
➡出生前検査
➡出生前検査表
➡胎児ドック:胎児精密超音波検査
早産・後期流産(妊娠15~16週以降の流産)の予防
本邦における早産率は5.5~5.8%でここ20年間くらい横ばいの状況です。早産のうち約70%は自然早産で、約30%が人工早産(妊娠高血圧症候群、胎児発育不全などで母児の救命のために人工的に行われる早産)です。自然早産を経験した方は、次の妊娠において20~30%で早産を繰り返すといわれています。早産は様々な原因が関与している症候群であると考えられており完全に予防することは難しいのが現状ですが、流早産時の情報をもとに可能な対策を検討していきます。
早産や後期流産の既往があって次回の妊娠時に繰り返さないか心配な方はご相談ください。妊娠をする前に相談していただくと選択肢が広がる可能性があります。
頸管無力症と頸管縫縮術
頸管無力症とは「出血やおなかの張りなどの自覚症状がないにもかかわらず、子宮口が開いてきてしまう状態」といわれていますが明確な診断基準はありません。早産原因の10~25%を占めるといわれています。頸管無力症で流早産となった方は、何もしないと次の妊娠でも50%以上の方が同じような経過になることがわかっています。頸管無力症に対しては頸管縫縮術が有効と考えられます。
宮城県内では頸管縫縮術を積極的に行っている施設はあまりありませんが、適応をきちんと判断すれば流早産予防に有用な治療法です。当院では適応があるかどうかをきちんと判断して、適応がある場合には、ご本人・パートナーに手術についての説明を聞いていただき希望があれば手術を行っています。
早産・後期流産の既往がある方は次回も流早産を繰り返しやすい傾向があります。また妊娠中期に頸管長が極端に短縮したり、胎胞(赤ちゃんを包んでいる膜)が露出しまったりした場合は流早産の可能性が非常に高いです。そのような方に対して下記のような適応を設けて手術を行っています。
予防的頸管縫縮術(過去の妊娠経過などにより適応を判断して妊娠初期(妊娠12~14週)に行う手術)
- 妊娠15週以降28週未満の流早産歴があり原因が明らかな感染ではない
- 頸管長短縮による長期入院既往があり、長期入院回避の希望がある
- 過去に頸管縫縮術を行い良好な経過であった
- 著明な陳旧性頸管裂傷がある
- 上記のうちのいずれかを満たす場合
治療的頸管縫縮術(妊娠中期に頸管長が著明に短縮したり、頸管の開大がみられた場合に行う手術)
- 妊娠23週未満
- 頸管長 15mm未満(胎胞形成を含む)
- 妊娠34週未満流早産既往がある場合は頸管長 25mm未満
- 未破水
- 有痛性の子宮収縮がない
- 明らかな子宮内感染徴候がない
- 上記のすべてを満たした場合
問い合わせ:宮城県立こども病院 産科外来 tel:022-391-5111(代表)
よくある質問とその答え
- 産科医療補償制度について知りたいのですが。
-
こちらをご覧ください。
- 特にリスクのない妊婦ですが、そちらでの分娩は可能でしょうか?
-
可能です。
一度、クリニックなどを受診して紹介状を作成していただき、地域医療連携室を通してご予約ください。
当院は小児病院であり、母体の疾患を専門的に診ることができませんので合併症のある方や前置胎盤などの妊娠合併症のある方はお断する場合があります。 - 里帰り分娩をしたいのですが、受け入れは可能でしょうか?
-
可能です。
紹介状を準備いただき、地域医療連携室を通してご予約ください。妊娠24週くらいまでに分娩予約のため一度受診していただき、妊娠34週以降の健診は当院でお願いいたします。
当院は小児病院であり、母体に合併症のある方や前置胎盤などの妊娠合併症のある方はお断りする場合があります。
今井 紀昭
(いまい のりあき)
| 職名 | 科長 兼 循環器センター勤務 |
|---|---|
| 資格等 | 日本産科婦人科学会専門医・指導医 日本周産期新生児医学会専門医・指導医(母体・胎児) 厚生労働省臨床研修指導医 日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 新生児蘇生法講習会「専門コース」インストラクター J-MELSベーシックコースインストラクター |
齊藤 裕也
(さいとう ゆうや)
| 職名 | 医師(フェロー) |
|---|---|
| 資格等 | 日本産科婦人科学会専門医 新生児蘇生法(NCPR)プロバイダー |
高橋 友貴
(たかはし ゆき)
| 職名 | 医師(フェロー) |
|---|---|
| 資格等 | 確認中 |
後藤 なつみ
(ごとう なつみ)
| 職名 | 医師(フェロー) |
|---|---|
| 資格等 | 日本産科婦人科学会専門医 新生児蘇生法(NCPR)プロバイダー |
髙濱 純史
(たかはま じゅんじ)
| 職名 | 医師(フェロー) |
|---|---|
| 資格等 | 確認中 |