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アレルギー科は宮城県内だけではなく、東北各地から患者さんをご紹介いただきアレルギー疾患の専門的な診断と治療を行っています。さらに、アレルギー疾患以外の病気を合併している患者さんの総合的な診療も積極的に行っています。

アレルギー科は2020年より、宮城県のアレルギー疾患医療拠点病院の指定を受け、患者さんの診療のみならず、アレルギー医療の発展と普及において中心的な役割を担っています。また、日本アレルギー学会専門医教育研修施設の認定を受けており、若手医師の育成にも力を入れています。

小児のアレルギー疾患は、標準治療の指針(ガイドライン)が策定されており、適切な治療を実施することで多くの患者さんで良好な効果を得てきました。しかし、適切な治療を行うためには疾患のことをよく知り、正しい治療方法を継続していくことが大切です。当院では患者さんが日常生活を快適に送ることができるように、医師以外のスタッフのサポートも行っています。高度なアレルギーの専門知識と指導技術をもった日本小児臨床アレルギー学会認定の「小児アレルギーエデュケーター」の資格を持った看護師や管理栄養士が在籍しており、診療の支援を行っています。

施設認定

  • 宮城県アレルギー疾患医療拠点病院
  • 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医教育研修練施設
  • 気管支喘息
  • アトピー性皮膚炎
  • 食物アレルギー
  • アレルギー性鼻炎
  • アレルギー性結膜炎
  • アナフィラキシー(食物依存性運動誘発アナフィラキシーを含む)
  • 蕁麻疹
  • 新生児・乳児消化管アレルギー(食物タンパク誘発胃腸症)

気管支喘息

気管支喘息は、気管支が様々な原因に対して過敏に反応することで狭くなり、咳や呼気性喘鳴(息を吐く時にゼーゼーすること)、呼吸困難を繰り返す病気です。このような状態を発作といいますが、発作を繰り返すと、気管支の壁がだんだん厚くなり、発作がない時でも呼吸機能が悪くなったり、発作が起こりやすくなったります。そのため、気管支喘息では苦しい時の治療だけではなく、普段の予防も重要となります。当院では発作時の入院治療だけではなく、定期的な通院で喘息のコントロールを行い、発作を起こさないための薬の調節や吸入指導、生活上の相談など細やかな対応を行っています。また、臨床心理士による心理的ケア、呼吸理学療法、手術前後の管理も行っています。重症例や難治例には、教育入院や生物学的製剤の注射による治療も行っています。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、「赤くなる」「小さいブツブツができる」「皮がカサカサむける」「皮膚が厚くなる」「かさぶたができる」などといったかゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。つるつるの皮膚に戻していくためにはお薬を適切に使い、スキンケア行うことが必要です。当院では、定期的な通院でスキンケアや軟膏の塗り方の指導を行い、湿疹のない皮膚を目指し、増悪を最小限にするよう計画的に治療を行います。皮膚の状態が非常に悪い場合は入院治療を行っています。また、少し状態が良くなったかと思ってもなかなか完全に良くなりきらず、悪化を繰り返す場合には軟膏塗布や入浴、スキンケアの方法を学ぶ機会として集中的に2泊3日の教育入院も行っています。さらに、重症アトピー性皮膚炎で適応となる方には、生物学的製剤(注射、内服)の治療も行います。

食物アレルギー

食物アレルギーとは、体を守るはずの免疫システムが食物に対して過剰に反応し有害な症状が起こる病気です。食物アレルギーは正しい診断に基づき、食物除去を必要最小限にすることが大切です。食物アレルギーの有無や、食物アレルギーがある食べ物でもどこまでなら食べることができるかを判断するためには原因食物を実際に食べてみる食物負荷試験が必要となります。
2020年は食物負荷試験を延べ1052件実施し、積極的に評価と対応を行っています。また、食物負荷試験によって食べられる範囲がわかった後には、管理栄養士による栄養指導も行っています。
さらに、少量でも症状が誘発される重症な食物アレルギーの患者さんに対し、臨床研究として経口免疫療法(経口減感作療法)にも取り組んでいます。経口免疫療法とは、今までは食物除去を余儀なくされていた患者さんがごく少量から原因食物の摂取を始め、摂取量を少しずつ増やしていくことでアレルギーのある食物を食べられるようになっていくことを目指す治療法です。(FAQ参照)現在約300例が治療中で、症状を起こさずに日常生活を送れるようになった患者さんも増加してきました。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎はダニや花粉によってくしゃみ、鼻水、鼻づまりがでる病気です。アレルギー性鼻炎がひどくなると口で呼吸をするようになったり、睡眠の質が悪くなったりします。また、気管支喘息の悪化にもつながります。当院ではアレルゲンの評価を行い、生活指導と対症療法の他、舌下免疫療法(スギ・ダニ)、スギ花粉症の重症例には生物学的製剤の注射による治療を行います。

新生児・乳児消化管アレルギー

新生児・乳児消化管アレルギーとは、新生児期、乳児期に、ミルク、母乳、鶏卵(特に卵黄)、米、大豆、魚などの原因となる食物をとりはじめてから、何度も吐く、血便が出る、体重が増えなくなる、下痢が長くつづくなどの症状が出る病気です。この病気では血液検査や皮膚検査結果を行っても結果が陰性となりやすく、診断に至るまでに時間がかかることがあります。当科では、消化器科と連携して診断・治療に当たっています。

その他

  • 薬物アレルギーが疑われる患者さんに対しては、薬物負荷試験を実施しています。
  • アレルギーのために予防接種が難しいと思われる患者さんに対しては、必要があれば検査を実施したうえで予防接種を実施しています。

2022年度

入院実績(重複あり)
アレルギー科入院患者数 699名
 食物アレルギー(疑いを含む) 670名
 アナフィラキシー 16名
 食物依存性運動誘発アナフィラキシー 2名
 食物蛋白誘発胃腸炎 2名
 気管性喘息/気管支喘息発作 5名
 アトピー性皮膚炎 3名
 多形滲出性紅斑 1名

 

2021年度

入院実績(重複あり)
アレルギー科入院患者数 710名
 食物アレルギー(疑いを含む) 671名
 アナフィラキシー 19名
 食物依存性運動誘発アナフィラキシー 2名
 食物蛋白誘発胃腸炎 4名
 気管性喘息/気管支喘息発作 10名
 アトピー性皮膚炎 3名

 

よくある質問とその答え

食物経口負荷試験はどのように行われていますか?

当院では安全に配慮し原則入院で行っています。症状が出た場合はその程度に応じて内服薬、吸入、注射などで対応します。詳細は外来受診時に、担当医へお尋ね下さい。

食物アレルギーについて、他の病院であれもこれも除去と言われています。栄養不良が心配ですが大丈夫でしょうか?

成人と異なり、こどもは成長する過程にあるため、本当に除去が必要な状態なのかどうかを正確に評価する必要があります。当院では食物経口負荷試験をはじめとした検査で本当に除去が必要かどうかを診断しています。また、管理栄養士による栄養指導も行っており、食物除去を余儀なくされる患者さんが栄養不良とならないようサポートします。

経口免疫療法とはどのような治療ですか?

多くの食物アレルギーは成長とともに食べられるようになることが期待できますが、一方で年齢が高くなっても食べられるようにならない患者さんもいます。また、少量の食物摂取で強いアレルギー症状が出てしまう重症な患者さんは日常生活で大きなリスクを抱えながら生活しなくてはなりません。このような患者さんに少量から計画的に食物摂取をしてもらう治療が経口免疫療法です。体はアレルギーの原因となる食物を決められた量を計画的に(毎日)食べることにより、アレルギー反応が起こりにくい状態となります。これを利用して食べる量を増やしていきます。しかし、治療には長期間食べ続けなければなりません。また、治療に伴いなんらかのアレルギー反応が起こる危険性を伴うことがあります。そのため、当科ではリスクを十分説明の上、常備薬(内服薬、吸入薬、エピペン)処方の上、治療に参加してもらうことになります。

アトピー性皮膚炎で入院が必要ですか?

重症のアトピー性皮膚炎では入院が必要になる場合があります。痒みによって夜十分に眠れないと、身長の伸びが悪くなったり、日常生活で集中力がなくなったりすることがあります。顔に症状がある場合には、白内障など眼の合併症のため視力に影響が出ることがあります。乳幼児では全身状態の悪化、成長・発達への影響が出ることがあるため、状態により担当医が治療のための入院をお勧めします。また、当院ではアトピー性皮膚炎に重要なスキンケア方法や軟膏塗布の方法の指導、アトピー性皮膚炎の理解を確認する目的で短期間の「教育入院」も行っています。

気管支喘息で治療を受けていますが喘息の症状が思わしくありません。何か他の治療はありますか?

気管支喘息の治療は内服のほかに、吸入による治療が非常に重要です。当院では吸入治療への反応が不十分な気管支喘息患者さんに、医師・薬剤師・看護師からの吸入指導を行い、有効な治療ができているか確認を行います。内服や吸入の治療を適切に行なっても病状が思わしくない場合などには生物学的製剤(分子標的治療薬)による外来定期注射での治療を行っています。

三浦 克志 
(みうら かつし)

職名 科長
診療領域
専門領域
アレルギー疾患
資格等 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医・指導医
日本アレルギー学会 理事・代議員、Anaphylaxis対策委員
日本小児アレルギー学会、理事、代議員、編集委員
日本小児臨床アレルギー学会 理事
日本アレルギー協会 理事
東北大学 臨床准教授・非常勤講師

堀野 智史 
(ほりの さとし)

職名 部長
診療領域
専門領域
アレルギー疾患
資格等 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医・指導医
日本アレルギー学会代議員

秋 はるか 
(あき はるか)

職名 医長
診療領域
専門領域
アレルギー疾患
資格等 日本小児科学会認定 小児科専門医

宮林 広樹 
(みやばやし ひろき)

職名 フェロー
診療領域
専門領域
アレルギー疾患

安齋 豪人
(あんさい ひでと)

職名 フェロー
診療領域
専門領域
アレルギー疾患

古市 真彩 
(ふるいち まあや)

職名 後期研修医

 

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