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泌尿器科は、腎臓や尿の通りみち(尿管、膀胱、尿道)、外陰部や生殖器(陰茎、精巣、陰嚢、膣)などの、おもに先天性の疾患に対する診療をおこなっています。
患児の腎臓や膀胱のはたらき、性機能などの回復や温存につとめ、将来にわたり良好なQOL(生活の質)を保つことができるように、診療をおこなっています。
当院の泌尿器科診療は東北地方全体をカバーしており、遠方からの患者様も多数ご紹介いただいています。このような背景から、遠方の患者さんにも安心安全な治療を心がけています。

認定施設

日本泌尿器科学会専門医教育施設

膀胱尿管逆流 Vesicoureteral reflux (VUR)

尿は腎臓でつくられ、尿管を通って膀胱にたまり、尿道から排出されます。いちど膀胱にたまった尿は、逆流しないしくみ(逆流防止機構)がそなわっています。これに問題があると、尿は膀胱から腎臓にむかって逆流します。多くの患者さんは腎盂腎炎(腎臓に細菌が入り、激しい炎症を起こす)による高熱をきっかけに発見されます。
膀胱尿管逆流の背景や問題点として、

  • 腎盂腎炎をくり返すと、腎臓の障害(腎瘢痕)が生じるおそれがある。
  • 逆流がなくなった後でも腎臓の障害が進み、腎臓の機能低下、蛋白尿、高血圧をきたすケースがある。(逆流性腎症)
  • 排尿の異常(尿失禁、排尿回数が少ないなど)や排便異常(便秘、便失禁など)を伴うケースがある。

などがあげられます。
膀胱尿管逆流は成長とともに軽快する傾向があるため、手術が必要でないケースもあります。
しかし尿路感染を繰り返す場合や腎機能低下のおそれがある場合には、手術が必要です。
当科で行っている手術方法には、

  • 小切開による開腹手術(入院期間:およそ5日間)
  • デフラックスという注入物質を用いる内視鏡手術(入院期間 2~3日間)

があります。

水腎症 Hydronephrosis

腎臓からの尿の出口(腎盂尿管移行部)に先天的な通過障害があり、腎盂に尿がたまって見える状態を先天性水腎症といいます。
腎機能を低下させるおそれがあり、また尿路感染や痛みを伴うために手術が必要となる場合があります。一方で自然軽快するケースも多いため、適切な診断と治療の専門的な判断を要します。
当科では、小切開による開腹手術(入院期間 4~5日間、後日に留置した尿管カテーテルを抜くための3日間)をメインに行っています。

尿道下裂 Hypospadias

尿の出口が陰茎の先より根元側にある状態で、陰茎が下向きに曲がることが多くみられます。
明らかな原因は不明ですが、胎児期に外性器がつくられる段階で、男性ホルモンの分泌や作用に問題があると考えられています。
尿の出口は陰茎先端近くから、陰茎の根元、陰嚢部などさまざまなタイプがみられます。
尿道下裂の問題点は、

  • 立位排尿がうまくできない
  • 陰茎の曲がりによって、将来の性交渉に支障が生じる
  • 本人が形態の違和感を覚える

などの可能性があげられます。
ごく軽度なケースを除いて手術が必要になりますが、とても難しい手術であり、小児泌尿器科医による診断や治療を必要とします。東北地方では手術を受けられる施設が少なく、遠方から多数の患者さんを紹介いただいています。
当院では陰茎の状態などをみて、1歳前後から2歳頃に形成手術を行っています。尿道内にカテーテルを留置している間は入院治療を行っています。(入院期間:5~14日間)

停留精巣 Undescended testis、Cryptorchidism

精巣が陰嚢部に十分下降していない状態をいいます。
停留精巣の問題点は、

  • 将来に精巣の働きがそこなわれる可能性(不妊症)がある。
  • 精巣腫瘍の発生頻度が高いといわれる。

などがあげられます。精巣を下降させる手術(精巣固定手術)によって、これらの可能性を低下させることができるといわれています。
生まれたときに停留精巣の状態でも、正期産児では生後3ヶ月くらいまでは自然に下降する可能性があるといわれています。
手術時期は1歳前後におこなわれることが多く、当院では生後6か月以降で手術を考慮しています。定型的な精巣固定手術、腹腔鏡をもちいた検査や手術をおこなっています。
(入院期間 2~3日間)

包茎

小児はほとんど例外なく、亀頭の部分が皮膚(包皮)に覆われています。思春期を過ぎると、100人中95~99人は包皮がむけて、亀頭が露出できるようになります。
小児は急いで手術を受ける必要はほとんどなく、年齢とともに自然に亀頭部が露出できることが増えます。包皮には重要な機能がそなわっていることが医学的に明らかとなり、小児に対して安易な包茎手術はおこなうべきではありません。
一方で包皮が硬く変化し、病的な状態をきたすケースがあります。この場合は保存的治療の効果が期待できないため、包茎手術をおすすめしています。
当院では、包皮環状切除手術(入院期間 2~3日)をおこなっています。
なお宗教上の理由でおこなう割礼には、対応しておりません。

尿失禁・夜尿症

当院ではクリニックと連携し、難治性のケースに対応しています。他の泌尿器科疾患や脊髄疾患がないかなどを調べます。原因が多岐にわたる場合もあり、特に難治性の場合は複数の科や職種(泌尿器科、小児科、発達科、児童精神科、臨床心理士など)の関わりが必要になることがあります。

神経因性膀胱

膀胱には尿をためる、尿を排出するという二つの役割がありますが、神経因性膀胱の方では、これらが障害されます。内服治療や清潔間欠導尿(時間を決めて、1日何回かカテーテルで尿を排出させる)で対応しますが、手術が必要なケースもあります。
当院では二分脊椎(脊髄髄膜瘤、脊髄脂肪種など)を主とした、先天性の脊髄疾患のケースが大半を占めています。脳神経外科、整形外科、神経科と協力しながら診療をおこなっています。

性分化疾患

多職種によるチームを構成し、診療にあたっています。
泌尿器科は、おもに外科治療をおこなっています。
DSDサポートチームを参照ください。

その他の疾患については日本小児泌尿器科学会、日本小児外科学会ホームページを参照ください。
日本小児泌尿器科学会
日本小児外科学会

入院治療では手術を受けられる方が大半であり、当科では年間250から300件の手術を行っています。主な手術内訳は以下の通りです。

一般社団法人National Clinical Database(NCD)の手術・治療情報データベース事業への参加について

入院の流れ

手術を予定されている方の場合、原則的に手術の前日に入院していただきます。
入院期間などは、主な対象疾患の欄を参考にしてください。

よくある質問とその答え

高熱がなかなか下がらず、検査をしたら膀胱尿管逆流(VUR)といわれました。 手術が必要でしょうか?

膀胱尿管逆流は自然治癒も期待できる疾患ですので、かならずしも手術を必要としません。
逆流の程度、腎臓の機能、尿路感染症の頻度、排泄の状況、年齢、性別などを考慮して、保存的治療や手術を含めて、適切な治療を考えることが大切です。

赤ちゃんの腎臓がはれている(水腎症)といわれましたが、手術が必要でしょう?

水腎症にはさまざまな状態があります。急いで治療(手術)を受けたほうが良い場合もありますが、無治療で自然に軽快していくケースもあります。それらを見分けるために、専門的な検査や評価が必要になります。

精巣が陰嚢におりていないといわれました。どうすればよいでしょうか。

停留精巣の場合、原則的には手術が必要です。年長になるまでそのままにしておくと、精巣の働きがそこなわれる(不妊症)のリスクが上がります。いっぽう精巣が容易に挙上する状態でも、遊走精巣の場合は必ずしも病的ではありません。
いちど泌尿器科で診察を受けることをおすすめします。

夜尿がなかなか治りませんが、放っておいても自然に治るのでしょうか。

夜尿は多くの場合、年齢とともに徐々に良くなりますが、自然に治りにくい場合は、ほかの泌尿器科疾患、神経疾患などが背景にあるケースもあります。
また年長まで夜尿があることで本人の自尊心が失われ、積極性が低下するなどの問題もわかってきました。
お困りの際には、まずかかりつけ小児科や泌尿器科に相談されるのが良いと思われます。

包茎と言われましたが、手術を受けたほうがよいですか?

小児の包茎は、包皮(おちんちの皮膚)が自然にひろがりむけていく(亀頭が見えるようになる)ことが多いと知られています。細菌の入り込みにより陰茎が赤くはれる場合もあり(亀頭包皮炎)、そのときは抗菌剤による治療が必要です。手術が必要になるケースはごく少ないのが実情であり、ステロイド軟こうにより良好な治療効果が得られます。

主な関連学会

日本泌尿器科学会
日本小児泌尿器科学会
日本二分脊椎研究会
日本小児ストーマ・排泄・創傷管理研究会

坂井 清英 
さかい きよひで

職名 科長
診療領域
専門領域
小児泌尿器科、先天性腎尿路異常
資格等 東北大学医学部臨床教授
弘前大学医学部講師
琉球大学医学部講師
日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医・指導医
日本腎臓学会認定 腎臓専門医・指導医
日本小児泌尿器科学会 認定医
日本小児ストーマ・排泄管理研究会東北地区世話人
日本逆流性腎症フォーラム代表幹事
日本胎児治療学会幹事

相野谷 慶子 
あいのや けいこ

職名 部長
診療領域
専門領域
小児泌尿器科
資格等 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医・指導医
日本小児泌尿器科学会 認定医

城之前 翼 
しろのまえ つばさ

職名 医長
診療領域
専門領域
小児泌尿器科
資格等

日本外科学会 外科専門医

日本小児外科学会 小児外科専門医

日本小児泌尿器科学会 小児泌尿器科認定医

臨床研修指導医

清水 徹

職名 医長
診療領域
専門領域
小児泌尿器科

久保田 優花 
くぼた ゆうか

職名 フェロー
診療領域
専門領域
小児泌尿器科

武田 詩奈子 
たけだ しなこ

職名 フェロー
診療領域
専門領域
小児泌尿器科
資格等 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医