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当院集中治療室(Intensive Care Unit: ICU)は、重症なこどもの診療に特化した県内唯一の「小児集中治療室(Pediatric ICU: PICU)」です。PICUに常駐し、集中治療を専門とする診療科として、2014年4月に集中治療科が設立されました。

PICUに入室する「こども」とは?

新生児(*未熟性を伴う早期産児は除きます。)から乳幼児、学童までのこどもを対象としています。
大きな手術後や、院内・院外で発生した救急疾患、他院から転院搬送された方のうち

  1. 重症な方(呼吸や循環、意識、その他の臓器に重篤な急性機能不全がある)
  2. 状態が悪化する可能性があるため綿密な観察(モニタリング)が必要な方

などがPICUでの治療を受けます。
集中治療科は、内因性疾患(病気)も、外因性疾患(けが)も、重症化した原因に関わらずPICUに入室するこども全員の診療を担当します。

重症化したこどもの救命のためには、原因である病気やけがの治療に加えて、その治療が効いてくるまでの間の生命維持(障害臓器機能のサポート、代替)が必要です。集中治療科は、PICUにおける診療全般を担当していますが、主に生命維持に関わる全身管理(気道、呼吸、循環、鎮痛と鎮静、水分管理、栄養、リハビリ、感染対策など)と臓器補助管理(人工呼吸管理など)を専門にしています。
PICUでは、集中治療科と看護師、各専門診療科、院内各部署(臨床工学技士、薬剤師、リハビリスタッフ、管理栄養士など)が協同・連携してチーム医療を実践しています。
PICUは、多くの機械がこども達を取り囲み、ストレスのかかる治療を行うことも多いため、決して安楽な環境ではないかもしれません。看護師・院内保育士・チャイルドライフスペシャリストなどと協力し、こども達とご家族が少しでも穏やかに過ごせるよう努力しています。

  1. 人工呼吸療法
  2. 一酸化窒素吸入療法
    血管拡張作用のある一酸化窒素を吸入することで、肺の血管を拡張させます。肺高血圧の治療になります。
  3. 低酸素療法(窒素吸入)
    窒素を追加した低酸素濃度ガスの吸入によって肺血管は収縮します。体全体への血流に比較して肺の血流が増加しやすい先天性心疾患に低酸素療法を行います。肺への血流を制限することで、体血流量と肺血流量のバランスをとります。
  4. 体外式膜型人工肺(ECMO)による呼吸循環補助
    ECMOは、最重症の呼吸循環不全に対して用いられる治療です。血管に留置した太いカテーテルから血液を取り出し、膜型人工肺と血液ポンプを組み込んだ回路を通し、体に返します。呼吸補助(酸素の取り込みと二酸化炭素の排出)と循環補助(心臓ポンプ機能の代替)を行います。
  5. 急性血液浄化療法(持続血液ろ過透析・血漿交換・血液吸着など)
    腎臓の障害(十分な尿がだせない)の際に体内の過剰な水分や有害な物質を除去します。また病気の原因となっている物質を血液中から除去します。
  6. 体温管理療法
    心停止後(心肺蘇生後)など酸素欠乏による脳のダメージを軽減するために、低体温療法や平温療法など厳密な体温管理を行います。

施設認定

日本集中治療医学会専門医研修施設
日本呼吸療法医学会専門医研修施設

主な関連学会

日本集中治療医学会
日本呼吸療法医学会
日本小児循環器学会
日本小児救急医学会

2021年度診療実績

入室症例総数 323例
予定入室 226例
緊急入室 97例

入室経路

院内 281例
手術室 203例
血管造影室(カテーテル室) 10例
病棟 61例
院内出生 7例
院外 42例
救急外来/一般外来 10例
直送 2例
転院搬送 30例

入室契機

術後管理 201例
呼吸不全 32例
循環不全 19例
中枢神経障害 18例
肝不全 0例
腎不全 1例
心停止蘇生後 10例
モニタリング・評価目的 32例
その他 10例

治療介入

人工呼吸療法(人工気道下) 206例
非侵襲的陽圧換気療法 0例
高流量鼻カヌラ療法 67例
一酸化窒素吸入療法 56例
低酸素療法 16例
体外式膜型人工肺(ECMO)を用いた呼吸循環補助 4例
急性血液浄化療法(持続血液ろ過透析・血液透析・血漿交換) 24例
治療的体温管理(低体温療法・平温療法) 6例

予後

ICU滞在日数 中央値 3日
ICU滞在日数 平均値 6日
ICU死亡 6例(1.9)
Pediatric Index of Mortality 3 予測死亡率(平均) % 3.8

2019年度診療実績

入室症例総数 318例
予定入室 195例
緊急入室 123例

入室経路

院内 255例
手術室 177例
血管造影室(カテーテル室) 14例
病棟 64例
院内出生 0例
院外 62例
救急外来/一般外来 24例
直送 0例
転院搬送 38例

入室契機

術後管理 179例
呼吸不全 45例
循環不全 27例
中枢神経障害 24例
肝不全 1例
腎不全 0例
心停止蘇生後 7例
モニタリング・評価目的 30例
その他 5例

治療介入

人工呼吸療法(人工気道下) 225例
非侵襲的陽圧換気療法 8例
高流量鼻カヌラ療法 68例
一酸化窒素吸入療法 53例
低酸素療法 16例
体外式膜型人工肺(ECMO)を用いた呼吸循環補助 4例
急性血液浄化療法(持続血液ろ過透析・血液透析・血漿交換) 22例
治療的体温管理(低体温療法・平温療法) 5例

予後

ICU滞在日数 中央値 3日
ICU滞在日数 平均値 6日
ICU死亡 10例(3.1)
Pediatric Index of Mortality 3 予測死亡率(平均) % 3.8

2018年度診療実績

入室症例総数 313例
予定入室 213例
緊急入室 100例

入室経路

院内 274例
手術室 201例
血管造影室(カテーテル室) 7例
病棟 64例
院内出生 2例
院外 39例
救急外来/一般外来 23例
直送 0例
転院搬送 16例

入室契機

術後管理 196例
呼吸不全 54例
循環不全 18例
中枢神経障害 9例
肝不全 2例
腎不全 0例
心停止蘇生後 7例
モニタリング・評価目的 15例
その他 12例

治療介入

人工呼吸療法(人工気道下) 223例
非侵襲的陽圧換気療法 12例
高流量鼻カヌラ療法 59例
一酸化窒素吸入療法 50例
低酸素療法 8例
体外式膜型人工肺(ECMO)を用いた呼吸循環補助 4例
急性血液浄化療法(持続血液ろ過透析・血液透析・血漿交換) 19例
治療的体温管理(低体温療法・平温療法) 8例

予後

ICU滞在日数 中央値 3日
ICU滞在日数 平均値 6日
ICU死亡 7例(2.2)
Pediatric Index of Mortality 3 予測死亡率(平均) % 3.6

年間入室患者数推移

入室患者数は増加傾向です。2015年度はICU増改築工事に伴う診療制限のため入室患者数は減少しました。
年間入室患者数

年度 入室症例数
2011 231
2012 259
2013 285
2014 285
2015 260
2016 307
2017 309
2018 313
2019 318
2020 323

患者様のご紹介について

当院集中治療室PICU (Pediatric Intensive Care Unit)では、小児の人工呼吸・体外循環・急性血液浄化など高次救命医療が実施可能です。貴院にて対応が難しい患者、小児重症患者についてのご相談や、転院・搬送依頼については、集中治療科にご連絡ください。院内専門診療科と協力して診療にあたらせていただきます。

搬送チームによる「迎え搬送」について

平日日中の当院への転院搬送に際し、集中治療が必要な重症な患者を対象に病院救急車(ドクターカー)による迎え搬送が可能です。依頼に基づき、集中治療科医師とPICU看護師による搬送チームを派遣し、転院搬送を担当致します。

宮城県立こども病院 集中治療科 PICU への患者紹介
平日日中 PICUホットライン 080-3333-7903
*医療機関からの専用電話です。一般の方からの電話は受け付けません。
夜間休日 病院代表 022-391-5111
ICU当直医師あるいは内科当直医師にご連絡下さい。

当施設の見学・研修をご希望の方へ

見学希望・お問い合わせは、
「集中治療科 小泉 宛」に下記のメールアドレスまでお願いいたします。
info@miyagi-children.or.jp

小泉 沢 
こいずみ たく

職名 科長 兼 集中治療部部長
診療領域
専門領域
小児集中治療
資格等 日本集中治療医学会 集中治療専門医
日本小児科学会認定 小児科専門医
日本呼吸療法医学会 呼吸器療法専門医
PALSインストラクター

其田 健司 
そのだ けんじ

職名 医長
診療領域
専門領域
小児集中治療
資格等 日本小児科学会認定 小児科専門医

小野 頼母 
おの たのも

職名 医長
診療領域
専門領域
小児集中治療、小児循環器、経食道エコー
資格等 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
日本小児循環器学会 小児循環器専門医
日本周術期経食道心エコー 認定医
SHD心エコー図 認証医

泉田 侑恵 
いずみた ゆきえ

職名 医長
診療領域
専門領域
小児集中治療、小児救急
資格等 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
JATECインストラクター
ITLS pediatricコース インストラクター