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形成外科は形成手術すなわち「つくる手術」を専門としています。生まれつき、ケガのため、病気の後遺症など、さまざまな理由で体に変形を持つ方がいます。その「変形」によって生命の危険や肉体的苦痛がもたらされることがないとしても、機能や見た目が損なわれるのであれば、生活の質の向上を目的とした治療が求められます。このような場合に、「機能」と「かたち」を修復するための形成手術が必要とされています。
形成手術そのものは古代より行われてきましたが、それを専門に行う形成外科の歴史はまだ浅いものです。しかし、生活の質が重視されるようになってきたこと、さらに治療技術の革新によって、形成外科はその診療対象を拡げてきました。頭蓋顎顔面外科、手の外科、皮膚外科、美容外科、再建外科、熱傷など、現在の形成外科が扱う分野は多岐にわたっています。
当院の形成外科では、重症の外傷を除いて小児に必要とされる形成外科診療のほとんどを行っています。扱う疾患の主なものは、頭蓋顎顔面の先天異常、手の外科疾患、足の先天異常、皮膚外科疾患、などです。
頭蓋顎顔面の先天異常にはさまざまのものがあります。変形は決して表面にとどまるものではなく、患者さんは呼吸や栄養という生命維持の問題から、視聴覚や言語、咬合という機能的な問題、整容面や心理面にいたるまで、次元の異なるさまざまな問題を抱えています。発達の問題や内臓疾患を合併することしばしばです。このような患者さんに対して、円滑なチーム医療が行えることは当院の特徴のひとつです。
なかでも口唇裂・口蓋裂は代表的な疾患であり、その治療は頭蓋顎顔面変形に対するチーム医療の基礎となるものです。当院では形成外科、歯科口腔外科・矯正歯科、言語聴覚士、耳鼻いんこう科などが診療に参加し、新生児期の哺乳指導から成人期の咬合形成まで、長期的な治療を行うことを目標にしています。
手の疾患においてもやはり先天異常が多く、母指多指症をはじめ手の先天異常の全てを診療対象にしています。また、腱損傷などの外傷、熱傷の後遺症、強直母指やバネ指といった炎症性疾患など、先天異常以外の疾患も少なくありません。
下肢の疾患のうち、歩行機能にかかわる足首から上の疾患は整形外科で治療されますが、整容の改善を主目的とした趾の手術については形成外科が担当しています。
皮膚外科疾患には、アザ、血管腫、皮下腫瘍、傷あと、慢性潰瘍、爪変形などがあります。
その他、臍や乳房など躯幹の変形、鼻や眼瞼、耳介などのその他の顔面の変形、などさまざまな状況に対する治療を行っています。
実際の診療はやはり手術が中心となっており、小児を対象とすることから多くの手術は入院のうえ、全身麻酔のもとに行っています。
いっぽうで外来での診療も重要な任務と考えています。そこでは、診断や治療計画の決定、手術前と手術後の経過観察を行っています。一般に扱われることの少ない「変形」の悩みについて、専門家としての意見をお伝えする場であると考えています。また、生活の質を求める医療において、治療の適応は常に相対的なものとなります。手術の実施に際しては充分に相談することを心がけています。
また、小児の外科が扱う疾患はどれも長い経過観察を必要とします。 成長を待たないと手術ができなかったり、成長の各段階で何回も手術を必要とすることもしばしばです。小児期の手術侵襲による悪影響が成長に伴って現れてくることも考えなければなりません。形態異常においては治癒という転帰が望めないことも多く、治療が終わった後の社会参加まで見守っていく必要があります。

  • 口唇裂・口蓋裂
  • 足趾の先天異常
  • 頭蓋・顎・顔面の先天異常
  • その他体表の先天異常
  • 耳介の先天異常
  • 再建外科
  • 手の先天異常
  • 瘢痕・瘢痕拘縮
  • 血管腫・血管奇形
  • 皮膚腫瘍・皮下腫瘍
  • 母斑

真田 武彦 
(さなだ たけひこ)

職名 科長
診療領域
専門領域
小児形成外科全般
資格等 日本形成外科学会認定 形成外科専門医

浅野 裕香 
(あさの ゆうか)

職名 部長
診療領域
専門領域
小児形成外科全般

下山 怜子 
(しもやま れいこ)

職名 後期研修医

 

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